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【夏の談話会】極限エピタキシー技術が拓く量子輸送の物理

講師
打田正輝 准教授

添付ファイル
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内容
要旨:
 エピタキシーという言葉は、ギリシャ語のepi taxis(英語ではon order)からきており、「秩序だった配列の上に」を意味する。
すなわち、ある結晶の上にその原子配列の影響を受けて結晶が新たに成長する様子を指す。
翻って、固体中の電子の振る舞いを記述するハミルトニアンは原子が完全に周期的に並んだ結晶を想定しているが、
そのような完全結晶の実現は現実には不可能である。
すなわち、実際の結晶では、格子欠陥や不純物を完全になくすことはできない。
それにも関わらず、エピタキシーの特性を生かした薄膜作製は、完全性の高い結晶を得るための進化を続け、
半導体工業の発展とともに、量子力学的な電子の輸送状態の研究分野を切り拓いてきた。
完全性の目安は、原子がどれだけ秩序だって並んでいるかを表す結晶性とどれだけの不純物が残留しているかを表す純度に大まかに分けられるが、
シリコンやヒ化ガリウム等の半導体はいずれも極めて高い水準を示す。
 一方、物性物理の分野には、興味深い量子輸送状態を示す可能性がありながら、高結晶化・高純度化が難しく高品質な薄膜を用いた研究が進んでいない物質が多く存在している。
本談話会では、このような物質を対象としたエピタキシー技術の進化と量子輸送の物理への挑戦について講演する。

日時: 2021年7月28日 午後4時30分から

1. 登録型の ZOOM ミーティングを設定しました。URL は下記となります。

https://us06web.zoom.us/meeting/register/tZ0kd-mqqzkvEtRgMVk2lKqUEd_YfYYDq0Az


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