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【冬の談話会】宇宙の果てからの重力波の調べ

講師
山本博章氏(カリフォルニア工科大)

日付
2017年12月21日(木)

時間
17:00-18:00

場所
西5号館 レクチャーシアター(W531)

添付ファイル
PDF   ダウンロード (276.0 KB)

内容
アインシュタインが100年前に提唱した⼀般相対性理論の大きな予言が、ブラックホールと重力波であった。重力波は、その信号が非常に弱いため、予⾔されてから百年の間、直接観測する事はできなかった。
米国のLIGO計画では、基線長4kmのレーザー干渉計を2台建設して、この微弱信号の観測に挑み、遂に2015年9⽉、その直接観測に成功した。その信号は13億年前にブラックホールの対合体によって引きおこされた波であった。
今年の8月からは、イタリアのVirgo干渉計も観測に参加した。延べ14ヶ月にわたる観測で、5個以上のブラックホールの対合体と1個の中性子星対合体から放出された重力波信号の観測に成功した。特に今年の8⽉に観測された中性子星合体の重力波信号は、70基の電磁波を使った観測グループと共同で解析され、最初の重力波の発見と同等の興奮でむかえられた。
重力波信号は、電磁波信号では見ることのできない宇宙の姿を見ることができる。400年前にガリレオが望遠鏡を使って始めた天文学にも匹敵する、重力波天文学の夜明けである。
本講演では、観測された重力波信号とその意義、LIGO干渉計の説明、国際協力、そして干渉計の将来計画について話す。


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