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分子解像度のクライオ蛍光顕微鏡

講師
藤芳 暁 氏(東京工業大学 理学院 物理学系)

日付
2018年3月5日(月)

時間
13:30-

場所
本館1階 H156 物理学系輪講室

添付ファイル
PDF   ダウンロード (227.3 KB)

内容
 たった一つの生命現象を発現させるためにも、細胞中では無数の分子が働いている。しかも、これらの分子は単独ではなく、分子ネットワークを作り機能している。このような複雑系の実体を知るには、その現場を正確に画像化することが肝要である。このような目標に対して、生体試料のための電子顕微鏡は、他の方法と比べて目覚ましく発展しており、このような複雑系の一部が見え始めている。例えば、細胞外であれば、結晶化せずに生体分子複合体の原子モデルが手に入るようになっている。また、分解能に弱点があった光学顕微鏡も、急速に分解能の改善が見られ、これまで見えなかった微細な細胞内構造が観測されてきている。このような状況の中、我々は急速凍結することで固定化した試料を観察する蛍光顕微鏡(クライオ蛍光顕微鏡)を独自開発することで、その解像度を分子レベルに引き上げることに成功した[1-3]。講演では、生体試料イメージングの現状を簡単に紹介した後に、我々の研究について紹介したい。

[1] S. Fujiyoshi et al.; Phys. Rev. Lett. 100, 168101 (2008).
[2] S. Fujiyoshi et al.; Phys. Rev. Lett. 106, 078101 (2011).
[3] T. Furubayashi et al.; J. Am. Chem. Soc. 139, 8990 (2017).


連絡教員:物理学系 竹内 一将(内線2298)


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