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【夏の談話会】物質の質量の起源 ~強い力の世界~

講師
慈道 大介 氏(東京工業大学 理学院 教授)

日付
平成30年7月19日(木)

時間
16:30-17:30

場所
西5号館W531 号室(レクチャーシアター)

添付ファイル
PDF   ダウンロード (516.3 KB)

内容
素粒子の質量はヒッグス粒子によって与えられると言われています。物質は電子と原子核で構成され、その質量はほとんどが原子核が担います。原子核は陽子と中性子によって構成されていますので、質量の起源の謎に迫るなら、陽子・中性子の質量を理解すれば良いことになります。陽子・中性子は基本粒子クォーク3つによって作られていると考えられますが、ヒッグス粒子によって与えられたクォークの質量だけでは、陽子の質量の高々数%しか説明できません。

さて、残りの質量はどのようにしてできたのでしょうか。その鍵を握るのが「強い力」です。強い力の世界では、ある種の対称性が自発的に破れることでクォークに質量を与えます。対称性の自発的破れは「真空」によって起こる現象で、強い力の「真空」がどういうものかということと密接に関連しています。本講演では、強い力の世界で起こる質量生成の機構と強い力の真空について、平易な言葉で解説し、最近の研究成果について紹介をいたします。


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