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【夏の談話会】ファラデーのやり残したこと ~光で磁性体を超高速に制御する~

講師
佐藤 琢哉 氏(東京工業大学 理学院物理学系 教授)

日付
令和元年7月25日(木)

時間
16:30-17:30

場所
西5号館W531 号室(レクチャーシアター)

添付ファイル
PDF   ダウンロード (341.1 KB)

内容
物理学者マイケル・ファラデーは電磁誘導(ファラデーの法則)の発見でよく知られている。それとは全く別に、彼の名前を冠した「ファラデー効果」という現象がある。1845年、ファラデーが磁性体で磁場を印加した鉛ガラスに直線偏光した光を当てたところ、偏光の向きが回転して出てきたのを見出したのがその発端である。このファラデー効果の発見をきっかけとして、光を用いて磁性体の性質を探る学問(磁気光学)が発展した。電気と磁気の相互関係のように、磁気が光に影響を及ぼしうるなら、この逆効果として光も磁気に影響を及ぼしうるのでは、と考えるのは自然なことである。

しかし当時の光源は弱すぎて観測は成功しなかった。ファラデーの時代から100年以上経った1960年代には、レーザーが発明されて、ようやくファラデー効果の逆効果、すなわち逆ファラデー効果の観測が可能になった。さらに現代では、人類はフェムト秒超短レーザーという超強力な光源を手にいれた。本談話会では、この新しいレーザー光源を用いてファラデーのやり残したこと、「光で磁性体を超高速に制御する」への挑戦について講演する。


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