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【冬の談話会】原子核の概念を拡張する-ハドロンを内部に含む原子核に関する研究-

講師
藤岡宏之(理学院物理学系 准教授)

日付
12月19日

時間
16:30~17:30

場所
西5号館W531号室(レクチャーシアター)

内容
原子核を構成する陽子や中性子は、クォーク3個から成り立つバリオンの一種です。クォークが集まって出来ている粒子は総称してハドロンと呼ばれ、クォーク・反クォークで成り立つ中間子とバリオンの2種類に大別されます。自然界の四つの基本相互作用の一つである強い相互作用は、ハドロンの間に働きます。原子核は陽子と中性子の間に核力が働くことによる自己束縛多体系ですが、強い相互作用で結びつくハドロンの多体系へと一般化することができます。
談話会では、ハドロンの多体系のうち、(1) 原子核+中間子の系(中間子原子核)、(2) 原子核+ハイペロンの系(ハイパー核)の実験的研究について紹介します。中間子原子核は、高密度の原子核の中に置かれた中間子の質量などの性質の変化を調べることを目的としています。また、ハイペロンはストレンジクォークを含むバリオンのことを指しますが、核力をハイペロン-核子力、ハイペロン-ハイペロン間力といったバリオン間力へと拡張し、包括的に相互作用の起源を理解することがハイパー核研究の大きな目標の一つです。


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