量子エンタングルメントは大域的な相関を捉える新たな手法として場の量子論へ盛んに活用されている。特に粗視化に伴う理論の変化を記述するくりこみ群の流れの下で理論の有効的な自由度は単調減少すると期待されるが、このような自由度を測るための具体的な指標が量子エンタングルメントを使って構成できることが近年明らかになった。一方、点粒子では無く拡がりを持った欠損演算子が存在する場の量子論では欠損演算子に局在化したくりこみ群の流れを起こすことができる。このようなくりこみ群の下で欠損演算子上の有効的な自由度が単調減少するかどうか、またその自由度は量子エンタングルメントで測ることができるのかは良く分かっていない。このセミナーでは量子エンタングルメントは欠損演算子入りの共形場理論の有効自由度を測る良い指標とはならないこと、また量子エンタングルメントに代わるより良い指標についての新たな予想を紹介する。

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連絡教員　物理学系　西田　祐介（内線3614）