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いよいよ開始するLHC-ATLAS実験 Run3運転とその物理

講師
山口 洋平 氏(東京工業大学 理学院 物理学系)

日付
2022年5月18日(水)

時間
10:00-

場所
本館 B61 物理学系輪講室

添付ファイル
PDF   ダウンロード (341.4 KB)

内容
 ジュネーブ郊外のCERN研究所において世界最高エネルギーの陽子陽子衝突実験を実現しているLHC(Large Hadron Collider)では、ビッグバン直後以降ほとんど姿を消していた、魅力的な素粒子の反応を再現し、この宇宙の成り立ちを探っている。
 LHCはこれまでの運転でヒッグス粒子の発見によって素粒子物理の標準理論を完成させ、また標準理論がテラ電子ボルトまで現象をよく記述することを実証したが、暗黒物質の正体など、この宇宙の自然法則に対して我々の理解はまだまだ不完全である。
 この夏LHCは4年弱の長期シャットダウンを終え、3度目の衝突実験となるRun3を開始する。Run3ではこれまで以上に高いルミノシティを実現し、エネルギーフロンティアおよびルミノシティフロンティアから、標準理論を越えた物理を探索する狙いである。
 実験の設計段階では想定していなかったルミノシティに耐え、なおかつより精密な測定を行うために、LHCに設置された測定器の一つであるATLAS国際共同実験ではシャットダウン中に検出器のアップグレードや解析手法の洗練化を進めた。本セミナーではRun3の準備状況をまず紹介し、ATLAS実験がRun3で狙う次の物理を議論する。


連絡教員 物理学系 久世 正弘(内線2080)


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