前へ一覧に戻る次へ

量子光学系における散逸的な非線形ダイナミクス

講師
加藤 譲 准教授(公立はこだて未来大学システム情報科学部)

日付
2023年4月25日(火)

時間
16:00-

場所
Zoom

URL

添付ファイル
PDF   ダウンロード (357.1 KB)

内容
 古典力学系において、同期現象やチューリングパターンなど、散逸的な非線形現象について詳細な解析がなされてきた。量子光学系においては、量子開放系のマスター方程式(GKSL方程式)から、P, Q, Wigner 関数として知られる擬確率関数の相空間上の時間発展方程式を介して、量子系の古典極限における散逸的な非線形ダイナミクスを考えることができる。ゆえに、この量子古典対応に基づいて、量子光学系における散逸的な非線形現象を考えることができる。本セミナーでは、特に、量子同期現象と量子チューリング拡散誘導不安定性について紹介する。量子同期現象に関しては、GKSL方程式のスペクトルに基づいて導入された量子漸近位相関数を用いた量子同期現象の解析について紹介する。また、量子チューリング拡散誘導不安定性に関しては、量子活性抑制系のモデルを提案し、拡散的に結合された2つの量子活性抑制系におけるチューリング拡散誘導不安定性について紹介する。

[1]"A definition of the asymptotic phase for quantum nonlinear oscillators from the Koopman operator viewpoint" Yuzuru Kato, Hiroya Nakao, Chaos 32, 063133 (2022)
[2]"Quantum asymptotic phase reveals signatures of quantum synchronization" Yuzuru Kato, Hiroya Nakao, New J. Phys. 25 023012 (2023)
[3]"Turing instability in quantum activator-inhibitor systems" Yuzuru Kato, Hiroya Nakao, Sci. Rep. 12,15573 (2022)

* 本 ZOOM セミナーに参加されます場合には、事前に下記より登録を済ませてください。

https://zoom.us/meeting/register/tJYvf-ChqDgiHNGKUPiBIZl5QPz7ZH1eUk6U

ご来聴を歓迎いたします。

連絡教員 物理学系 笹本 智弘(内線3614)


一覧に戻る