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河合研究室


河合 誠之
研究テーマ 宇宙最大の爆発を探る
ホームページ http://www.hp.phys.titech.ac.jp/
http://www.hp.phys.titech.ac.jp/nkawai/
連絡先 内線: 2390
E-mail:nkawai at phys.titech.ac.jp
研究内容
ガンマ線バースト
宇宙ガンマ線バーストは、数十億光年の遥か遠方の宇宙で発生する人類の知る限り宇宙最大の爆発現象です。大質量の恒星が一生の最後に自分自身の重力でつぶれてブラックホールになるときに飛び出すジェットが、ガンマ線放射の源であるという説が有力です。
私たちの目に届く爆発の光は数十億年の昔に発せられたものですから、この現象を観測することによって、銀河が作られ始めたころの太古の宇宙を調べることができるのです。

さまざまな突発天体現象
ガンマ線バーストの他にも、銀河系内の中性子星連星や、遠方銀河の中心にある超巨大ブラックホールが突然輝き出すことがあります。人工衛星によるX線・ガンマ線観測と地上望遠鏡による光学観測との連携で、地上では決して実験することのできない、極限状況の物理を調べます。
研究詳細
宇宙には、日常感覚からは思いもよらない奇妙な激しい現象が次々に見つかっています。そのような不思議な現象を自分の手で開発した装置や観測方法で研究していくのは、わくわくする体験です。例えば、次のような方法で。

ロボット望遠鏡
私たちの研究室では、ガンマ線バースト観測専用のロボット望遠鏡を山梨県に設置し、自動観測を行っています。上空で広い天空領域を監視している人工衛星からのガンマ線バースト速報に反応して、直ちに観測を開始します。今までに観測したなかで最も遠いガンマ線バーストは赤方偏移4.67、すなわち123億光年のかなたのものでした。

MAXI
国際宇宙ステーションに設置したX線全天監視装置です。X線で見る空は、可視光で見る空と違って、激しく変動しています。中性子星やブラックホールが周囲のガスを吸い込んで、X線を放射しているのです。ときどき、ガンマ線バーストも検出されます。私たちは、JAXA・理研や他大学の研究者と協力して、MAXIの観測運用を行い、絶え間なく変化するX線の空を監視しています。

小型衛星
工学系研究室と協力して、宇宙観測を目的とした超小型衛星を学生の手で開発しています。ガンマ線バーストを検出し、そのX線偏光をはかる「TSUBAME」衛星に搭載する検出器の開発を進めています。

大型衛星、大型望遠鏡
ガンマ線バースト宇宙望遠鏡Fermi、日本のX線天文衛星「すざく」、 口径8.2mの大望遠鏡「すばる」などを用いて、ガンマ線バーストやブラックホール、中性子星などの高エネルギー天体を研究しています。
学生に一言
MAXIもロボット望遠鏡も小型衛星も少人数の研究プロジェクトです。大きな計画 の歯車としてではなく、計画全体から小さな部分まで研究のいろいろな局面で個人の熱意と創造力を生かす研究をおこなっていきたいと思っています。
メンバー紹介
助教:谷津陽一
G-COE研究員:森井幹雄
支援研究員:大川拓也
博士課程:戸泉 貴裕、薄井竜一
修士課程:杉森航介、榎本雄太、川上孝介、常世田和樹、青木 優
卒業研究:宋成登、林真由美
秘書:小永井 悌子