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準周期系における超伝導

講師
竹森 那由多 氏 (理化学研究所 創発物性科学研究センター)

日付
2017年6月21日(水)

時間
16:30-

場所
本館2階 H284A 物理学系輪講室

添付ファイル
PDF   ダウンロード (235.7 KB)

内容
 最近、Al-Mg-Zn準結晶で超伝導が発見された[1]。この超伝導状態は弱結合的であるということが知られているが、並進対称性のない系における超伝導状態は非自明で、どのようにクーパー対が形成されるのかという疑問が生じる。我々はこの問題に理論的に取り組んだ。まず、2次元ペンローズタイリング上の引力ハバード模型に問題を設定し、南部形式に拡張した実空間動的平均場近似の範囲で数値的に解析を行った。その結果、弱結合領域においてBCS状態とは異なる超伝導状態が発現することを明らかにした[2]。さらに、Al-Mg-Zn準結晶で発現した超伝導状態との関連を調査するため、弱結合領域における超伝導状態の実験的観測量を平均場近似を用いて求めた結果を紹介する[3]。

[1] 神谷京佑、山本晃生、壁谷典幸、出口和彦、井村敬一郎、和田信雄、
竹内恒博、落合明、佐藤憲昭, 日本物理学会第72回年次大会
[2] S. Sakai, N. Takemori, A. Koga, and R. Arita, Phys. Rev. B 95, 024509 (2017).
[3] N. Takemori, S. Sakai and R. Arita, in preparation.

連絡教員 物理学系 那須 譲治(内線2724)


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